名著 ~覚悟の磨き方 超訳吉田松陰 「心2」

本文より

 

本当に幸せな人

幸せな人の心は二種類に分かれます。

ひとつは

どれだけ貧しくて、厳しい状況に置かれても、

いつもゆったりとした雰囲気でいて、

決して他人を責めたり、自分の運を呪うことのない心です。

もうひとつは

誰に対しても、まるで家族みたいに親切で、

どこかで困っている人がいると聞けば、

もうそれだけで食事がのどを通らなくなったり、不眠になったりするほど気を配る心です。

どちらも同じ心のことです。

 

つまり

自分がどれだけひどい状況に置かれても、

そのことについては考えないので、

その分、世の中の人たちにやさしくなれる。

言い換えれば

世の中の人たちにいつも優しくしているから

自分がどれだけひどい状況になっても

あまり気にしなくて済む、ということであります

 

ですから

自分の身の回りのことにいつも腹を立てているような人に、「今の世の中は…」と語ってほしくないわけです。