ムーヴ思考 ~基本に替わるもの~

「この世に基本などない」とまでは言わないが、「安易に基本を定める」事の危険性を感じている。

単純な「繰り返し」になってしまっている。

色々な競技、分野でよくみられるのが、「素振り何百回」などと繰り返す練習をしながら一向に上達しない、「初心者のようなベテラン」です。

素振りがいけないわけではない。闇雲にやっても上達はしない。しっかり意図などを把握することが大切です。人間には良くも悪くも「適応力」というものがあります。一つの動きを繰り返せば、その動きを支える筋肉がついゆきます。

下手な動きを繰り返せば「下手な動きを支える筋肉」が増強されます。体内には「下手な動きを支える道筋」がどんどんできてしまうのです。

これが「癖」の構造です。

「特定分野に熱心に取り組んだ人ほど習得が遅い」間違いなく「癖」が影響しています。

経験値が「癖」を作り、結果として「対応力」や「習得」の障害となっていることが多い。

本来、この世のあらゆる事象は「初見」であり、「未知」です。これが基本を学ぶ危うさでもあります。初見で未知のものも「基本」に当てはめて、似たような事象を同じものとして行動してしまう。スポーツの試合は、その瞬間その瞬間は常に「生まれて初めて」であり、未知でない経験など何一つありません。その「誤差」に気づかないことが多い。「実用性」という意味で最も大切かもしれない「未知への対応力」を鈍らせてしまう「繰り返し」は、果たして本当に有効なのでしょうか。しっかり検討していく時期に来ている。